技術士合格の仕組み講座 トップページロゴ

トップ > メールマガジンアーカイブズ > 「業務報告」と「技術的体験論文」の違いとは?

※本講座はリンク・引用・転載もフリーです(有料教材は除く)。ただし出典は明記してくださいね。。

『技術士合格の仕組み講座』メールマガジン登録フォーム

まぐまぐ!
メルマガ購読・解除
技術士 合格の仕組み講座
読者購読規約
powered by まぐまぐ!
 

技術士二次試験 教材一覧はこちらをクリック

総合技術監理部門 教材一覧はこちらをクリック

2008/10/05 「業務報告」と「技術的体験論文」の違いとは?

みなさんこんにちは。
今回は、技術的体験論文の作成において、
一番重要であり、なおかつ
一番苦労するポイントである
「業務報告と体験論文の違い」
について解説したいと思います。

まず、前回の復習を簡単にさせていただきます。
前回のメールマガジンでは、
技術的体験論文の本質について、
以下のような表現を借りて説明いたしました。
 
「あなたが何を感じ、それをどう考え、そしてどう実行したか、
さらにその結果はどうだったのか、ということについて
時に図表を交えた説明を通じて、あなたの技術力を証明していくのです」
 
これこそが、まさに技術的体験論文です。
逆に、あなたの考えや判断に触れもせず、単に
「・・・という状況だった」
「・・・という対策をとった」
「・・・という結果となった」
などと事実関係だけを列挙するのは
論文ではなく、業務報告になってしまうのです。

この業務報告とは、
起こった事象、とった行動など客観的事実だけを
相手が分かりやすいように伝えるものです。

業務報告は業務報告で、それが必要な場面というのが
当然あるのですが、
ことこの技術士試験においては、まったく意味を持たないものなのです。 
なぜなら、業務報告の中には、
あなたのパーソナリティをさしはさむことが不可能だからなのです。
試験官の判断するところは、業務そのものではありません。
あなたのパーソナリティこそ、試験官が見ようと思っているものなのです。
業務報告的な技術的体験論文は、その肝心要の部分が欠落しているわけですから、
試験官がいくら良い点数をつけたくても、採点の仕様がないのです。
つまり、不合格です。
 
あなたは、そのような論文を書いていては、いけません。
これまでの説明を読んでいただいただけで、
おそらく格段の進歩があるはずなのですが、
さらにそれを確実なものにするために、
もうすこし具体的にお話しましょう。
 
先ほど、体験論文の本質を説明しましたが、
それを強引に箇条書きにしてみると、
以下のようになります。

1.業務を遂行する中であなたが遭遇した課題の説明
2.採用した解決方法と、あなたが採用を判断するに至ったプロセスの説明
3.その解決方法をあなたが実行した結果の説明

この1から3のうち、業務報告とは、1と3、
せいぜい2の一部分までを述べたものになります。
であれば、業務報告から体験論文へ脱皮するポイントは、
2について書くかどうか、
にあるといえます。

この2とは、課題に対する
「解決方法とあなたが採用を判断するに至ったプロセス」
です。

今回は、これについて重要なコツのうち、一つお教えしましょう。
それは、「解決方法」で解決する課題のレベルについてです。

おそらく、次のようにすればいいんだと思われた方もいらっしゃるでしょう。
「この課題を解決する方法にはいろいろな工法があるが、
それらについて比較検討した結果、わたしはA工法に決めた。
その根拠は、経済比較では・・・、安全性では・・・
それらを総合的に比較して・・・」
これでは、インパクトという点できわめて乏しいといえます。
 
なぜインパクトが弱いかというと、
これではあなたが考えた解決方法とは言えないからです。
つまり、あなたのパーソナリティが発揮されていないのです。
人が考えた、すでに常識になってしまっている解決方法です。
過去に何人もの人が進んだ路を、
あなたも同じようになぞっていることを紹介しているだけなのです。
このようなことばかり記述していても、
あなた自身の技術者としてのパーソナリティをアピールすること
にはまったくなりません。
 
ですから、ここで見方をすこし変えてみましょう。

では、どう変えるかというと・・・。

アピールする次元を、現場、実作業まで少し下げてみましょう。
 
たとえばそのA工法を現場に適用した場合に発生した、
その現場特有の問題点、こういったレベルのものに焦点を当ててみましょう。
低いレベルの問題点は、
レベルが低ければ低いほど、当然これまでだれも経験したことのない、
オリジナルな課題であるはずです。
そしてそれを解決すべき方法も、当然誰も考えたことはないのです。
あなたが書くべきなのは、このようなレベルのことなのです。
ただし、技術的素養が発揮できないようなレベルまで下がると、
技術的な論文とは言えなくなりますから、加減は必要です。
 
参考までに、
私の場合のことをお話いたします。
私は上下水道部門の下水道が専門なのですが、
わたしの論文の骨子は、
海の汚濁解析、つまり海に流出してしまった汚濁物質が
潮の干満などでどんな挙動を示すか、
ということを把握することをテーマとしていました。
そして、その中で養殖いかだから放たれる魚のふんをどのように扱うか、
ということが問題点であると設定したのです。
それは、深さ方向で水面直下にある汚濁源とするのかどうか、ということです。
そこで私は、ふんは重くて急速に着底することに着目しました。
そして私は、底泥から溶出してくるものだ、と考えたのです。

このように、汚濁解析手法をどのようなモデルを用いたか、という
ことではなく、モデルを現場に適用した場合に発生する
現場ならではの問題点を、いかに解決するか、
ということを詳細に記述したのです。

このような問題点を、あと2例ほど挙げて、
わたしは論文としてまとめました。
その結果、合格することができたのです。
  
  
ここで、最後にもう一度きちんと整理しておきましょう。
技術的体験論文で問われているのは、
「あなたがやったこと」ではないのです。
だから、これを書いていては、合格しません。
書きあらわすべきものは、問われていることのみですから、
「あなたが課題と感じたこと」であり、
それに対して「あなたが考えた解決策」であり、
そこではじめて「あなたがやったこと」と続き
そして最後に「その結果どうだったか」
ということなのです。
つまり、論文にするには、採用した解決方法と、
あなたが採用を判断するに至ったプロセスの説明を必ず行う必要があるのです。
さらに、あなたの判断、工夫をしたレベルを、
すこし低目に設定して、
あなたのパーソナリティが表現しやすいようにする。
 
これが合格の仕組みの一つになります。

技術士二次試験 教材一覧はこちらをクリック

総合技術監理部門 教材一覧はこちらをクリック

トップへ戻る  メールマガジンアーカイブズへ戻る