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2011/12/17 読売ジャイアンツが戦力補強にひた走る理由

読売ジャイアンツという球団が、この冬、大幅な戦力補強を敢行しています。

日本一になったソフトバンクから今年最多勝のホールトン投手、
そしてセリーグ万年最下位のベイスターズからはかつて二年連続のホームラン王になった村田選手と、
各チームの大物選手を次々と獲得していっています。
さらに、現時点で確定はしていませんが、同じソフトバンクから
実績抜群の杉内投手の獲得についても画策しているようです。

このような戦力補強の話題を聞くと、
「監督の手腕っていったい何なの?」と思ってしまいますが、
いずれにしても来年は是が非でも優勝したいようですね。


そのように強烈な戦力補強をする理由は
「ジャイアンツを強くして優勝させるため」
だと思われています。

確かに、自分のチームに他チームからいい選手を連れてくれば、
相対的に大幅な戦力差が生まれるので、
もくろんでいることはかなりの確率で達成可能となるでしょう。
チーム生え抜きの選手を育てるよりも手っ取り早く、しかも手堅い目標達成方法といえます。

したがって、「ジャイアンツ」という観点でコトをみると、
戦力補強は至極妥当な行為と映ります。


しかし、ひとつずらして「野球界」という観点から同じコトをみてみると、
すこし様相が変わってきます。

あまりにチーム間の戦力差が大きくなりすぎると、戦力の均衡が崩れて、
プロ野球自体がつまらなくなってしまいます。

そのような批判は、かねてから存在していました。

その証拠に、このような戦力補強を繰り返すジャイアンツが優勝を重ねても、
観客席には空席が目立つようになりました。
それに応じて、テレビの地上波の中継も、まったくなくなりました。

あなたの子供時代は、おそらく球界の盟主たるジャイアンツの全盛時代だったでしょうが、
その時代はとうの昔に過ぎ去ってしまったようです。

もう、12球団うちの、それもダサい部類の球団のひとつにしか過ぎない印象が、
わたしにはあります。
いまどき、ジャイアンツの野球帽をかぶる子供は、皆無です。
なぜなら、子供たちから「ダサい」と思われているからです。

観客も少なくなって、子供の心も離れていって・・・。
さらにそれに拍車をかけるようなこの戦力大補強。

このように、「野球界」という観点でコトをみると、
繰り返される戦力補強は“至極妥当”どころか、
プロ野球全体の自殺行為とまで映ってしまいます。

それを、読売以外のマスコミが「野球界全体を考える必要がある」
などと批判記事を書くのが恒例化しています。


そのようなことは読売の人たちも先刻承知だとおもうのですが、
なぜ今回も、ジャイアンツは戦力補強を行おうとするのでしょうか?

あなたはなぜだと思いますか?
あなたなりの、きちんとした仮説を、ぜひ立ててみませんか?
この仮説力こそ、技術士としての重要な資質ですし・・・。


私の仮説は、こうです。

私の場合、観点をさらに動かして、「読売新聞社」まで広げてみました。
繰り返させるジャイアンツの戦力大補強を、「ジャイアンツ」観点でもなく、「野球界」観点でもなく、
「読売新聞社の経営」という観点で眺めてみるのです。

もっというと、「オール読売の経営者ナベツネさんの心中」というところまで、
落とし込んでみるのです。


「プロ野球選手は子供たちの憧れ!」などといっても、本質は興行です。
興行とは、すなわち見世物なのですが、
そこには経営収支が成り立たねばならないという大原則が存在します。

しかし、ここで着目したいのは、
プロ野球が、球団としての収支ではなく、
親会社を含めた企業体としての収支のロジックで動いている、ということです。

つまり、読売の経営層にとって野球は、主たる新聞事業の脇の、
単なるサブ事業の一つに過ぎません。
したがって、
「プロ野球団としての収支」
というよりも圧倒的に強く
「オール読売の経営」
という観点から、ジャイアンツという事業を眺めているはずです

そう。総合技術監理で重要となる
「経営」「マネジメント」の観点です。


読売新聞に限らず、新聞業界はこれまでに直面したことのない
冬の時代に突入しようとしています。
電子メディアが台頭し、それに強い親和性をもつ若い新世代の人口割合が徐々に増えつつある中で、
新聞購読者数は長期的に減少しつつあるからです。

そんな中、新聞社は、新聞再販体制、
すなわち新聞社本体とそれを支える新聞専売店の関係性維持を図っていく必要があります。

その対応方法は、わかりやすく考えると
・これまでと同じ営業努力をさらに強化する
・新たな営業チャンネルを開拓する
・会社規模を縮小する
という、この3シナリオに分かれます。

しかし、会社規模を小さくする、というのは相当の覚悟が必要ですし、
新たな営業チャンネルを開拓する、とっても、そうたやすい話ではありません。

一番取り組みやすいのは、一つ目の「これまでと同じ営業努力をさらに強化する」という手法でしょう。
目先の危機を脱出するには、もっとも即効性のある方法です。

読売の場合、かつては、営業の成績と「ジャイアンツの成績」とが密接につながっていたようです。

娯楽が少ない時代には、テレビに映るジャイアンツが国民の羨望の的であり、
そのジャイアンツをテコにした営業は、大きな成果を上げていたようです。

すなわち、「ジャイアンツが強ければ、新聞が良く売れる」。

読売の経営層は、いまの新聞社の中で成功を収めた人たちばかりであるはずです。
その人たちは、この成功の方程式に則って
あまたの成功を収めてきた人たちともいえます。
ならば、その方程式がまるで焼印のように記憶されていても、おかしくはありません。

時代が変わったのだ、ということをいくら認識していても、
その自分の成功をもたらした方程式を消し去ることは、相当ハードルが高いでしょう。

だから、いまだにこのような思考に陥ってしまうのです。

「ジャイアンツをまた強くすれば、新聞が良く売れるはずだ」


読売グループの総帥は、ナベツネという愛称で親しまれている、実質的な経営者です。
このお方、よく球場に足を運ばれるようですが、もともとは政治記者上がりで、
野球がとりわけ大好きというわけでは、どうも無いようです。

この方の高圧的、強迫的な言動は、よく世間の耳目を集めるところですので、
今回の強烈な戦力補強も、この方の
「悪趣味のひとつ」のような報道がなされます。

しかし、注意しなくてはいけないことは、このナベツネさんが、
あくまでも経営者である、ということです。

経営者であるのなら、決して悪趣味のような低次元の判断ではなく、
そこにはしたたかな計算があるとしか、わたしには思えません。

良し悪しは別として。


今回の読売ジャイアンツの戦力大補強。

そこには、「ジャイアンツ」という観点も、「野球界」という観点も、
実は存在しなかったのです・・・。

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