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2015/09/22 この人に拳を向けるようなことは、有り得ないから!!!


平成27年9月19日未明、いわゆる安保法案が参議院で可決、成立しました。
安保法案とは1つの平和安全法制整備法(自衛隊法など10本の法改正)と1つの新法(国際平和支援法)のことです。

今回の“騒動”では、国会前に集ったデモ隊にスポットが当たりました。
そして、法案反対ばかりを繰り返すその主張について、メディアは見事に彼らの本質を見抜き、デモの正体を暴く記事を数多く書き飛ばしていました。

・・・デモ隊は結局、“反対のための反対”をするだけの、組織に動員された人々にすぎません。「平和!平和!」とだけ唱えていても、尖閣諸島が偽装漁民に急襲されたとき、どうすることもできません。だったら、やはり抑止力をもって脅威に対抗し、そして平和を維持することが大切なのです・・・。

と、こんな論調で。


あなたは、どう考えましたか?
時として仕事よりも大切なことがあります。
知らない、わからないでは済まされません。大人として。


これは技術士のメルマガです。
なので、今回の“騒動”について、少々強引に総合技術監理の「リスク管理」という視点から見てみましょう。

リスクとは、ある事象がはらむ組織や施設などに損害をもたらす危険性のことを指します。
損失をもたらす危険ですから、適切に管理される必要があります。
本来は、こうしたリスクの存在に気が付いたのなら、それに対し「保有」「回避」「低減」「移転」のいずれかの措置を取らなければなりません。
翻って安保法案ですが、性悪説に立つ先ほどの読売、産経系といった政権寄りのマスコミの論調をみると、特に中国を意識した彼らの紛争リスクの管理は“抑止力”がその本質です。
固く握った拳をチラ見せすることで、彼らの言う通り、紛争の危険性は「低減」するのかもしれません。
ただ、これは決して緊張状態を緩和する手法ではありません。
武力を補完してバランスのとれた緊張状態を継続する、それを彼らは「平和」と称するわけです。
しかし、紛争ではなくもっと大きな“戦争”の危険性について考えたらどうでしょう。
この手法はリスクの低減ではなく、リスクの永続的な「保有」に該当してしまいます。
つまり、ずっとずーっと戦争が起きる可能性を維持していく、という手法になるのです。

かたや、「平和!平和!」のほうはどうでしょうか。
これは、相手国の脅威に対し我が国の脅威を現状維持からゼロにしてしまうもので、いわば性善説に立つ手法です。
「それじゃ尖閣が奪われるゾ!!」と、一見“紛争”リスクは拡大するように思えます。
しかし、“戦争”リスクについては、戦力不保持を志向するわけですから、長期的観点からすると「回避」になります。



・・・9月18日夕刻、時折小雨がパラつく国会前。

国会前歩道を取り囲んでいる数多くの人々。
恐らく朝から声を上げていただろうとおもわれる初老の人々に交じり、せいぜい大学生くらいの若者たち。
しかし、その向こうには行く手を阻むように何十台と途切れなく並ぶ警察の装甲車両。
国会正門前には若き警官達のスクラムが幾重にも。
著名人、有名人による多くの反安保演説がひとしきり終わった午後9時頃、いよいよ参議院本会議が始まったことを告げられ、一斉に野党への応援コールに切り替わる。
この頃、帰り支度を始める年配の人たちと入れ代わるように、仕事帰りの若いサラリーマンやOLの姿が急に増えてくる。
そして、シールズが陣取る国会正門前交差点の右手側歩道は、ほぼ若者だらけの、半分近くが女性の、しかもほとんど独りで来たと思われる、数千人の集団に膨れ上がっていく。
そして日付を跨いで朝方まで繰り返されるシュプレヒコール・・・。




「平和!平和!」を唱える私のような安保反対派の人々に対し、「中国の軍事パレードをみて、脅威を感じないのか?」という問いがあります。

私は、特に脅威は感じません。
なぜなら、本気で中国が日本本土に侵攻してくるとは、到底思えないからです。
あのパレードは、かの国の様々な事情が交錯した結果のパフォーマンスに過ぎないと思うからです。

数千年にもおよぶ濃密で滔々とした交流の歴史を共有し、血で血を洗う時代も経験した上で現在、政治以外の各分野で緊縛した相互依存関係にある両国です。
武力をもって現状変更を図ろうとする行為の反作用がいかほどのものか。
どの国よりも政権転覆に敏感な彼らが、それを理解していないワケがないと思うのです。


「自国の平和だけでいいのか?応分の平和貢献が必要じゃないのか?」という問いもあります。

中東やアフリカ諸国などへの平和貢献は必要です。
だからといって、アメリカは喜ぶけれど近隣国が嫌がる「武力による貢献」という方法を敢えて取る必要もないでしょう。
なぜなら、武力による解決手法は性悪説に立脚する故、前述の通り、リスク管理の観点からは決して理想的な解決手段とはいえないからです。
人類の歴史において、これまでは武力を背景に、銃口の先にある平和を実現することが現実的でした。
しかし、21世紀になって、状況は一変しました。
極度に進行した電子化は、弊害もありながら、一方でボーダレスな世界というものを実現したのです。
一個人が国家という重々しい境界線を軽々と飛び超え、地球を相手にした創造的活動が可能になる、それまでとは異次元の時代が到来したのです。
人類がそのように大きく進化した今、国家というものは、人々の活動を守るのではなくむしろその足を引っ張る存在にすらなり下がってしまいます。
これほどまで劇的な環境変化が起こった状況においては、国家主義に基づく武力貢献は効力を失い、国家だけではなく一個人ベースの多様なチャンネルにおける支援活動が創造されるはずだと、自然に発想が流れていきます。

我が国は、唯一の被爆国です。
その被爆から復興し、非戦を貫きながら勤勉を続け、そして現在の繁栄を築き上げた事実を中東の人は大いにリスペクトしているといいます。
世界史上に於いても稀有なこの成功体験と、憲法9条を中心とした“平和ブランド”。
これを両輪として、武力解決を放棄すると同時に、さらなる人道救命支援、文化経済的支援などあらゆるチャンネルでの貢献を高らかに宣言し、そしてそれらを本気で全力で実践することによって、我が国として応分の平和貢献を相当程度果たすことが可能な状況に変わりつつあります。
このような点に着目できないのなら、未来の世代から「愚か」と言われても仕方がありません。


この安保法案審議の中で、正直な中谷防衛相は「核兵器の運搬も法文上は排除していない」と言い放ちました。
核兵器は消耗品で、武器ではないから、我が国も輸送できるらしいのです(涙)。
私の祖父は70年前、広島のキノコ雲の下で亡くなりました。
そして私の母も、被爆者健康手帳を持っています。
被爆2世として、こうした当事者感覚のない無責任な発言に対し、私は奥歯がガ〜タガタ鳴るほどの、本気の怒りを覚えます。
今回の内閣の一連の振る舞いにはこうした品性の低さが通底しており、身の毛のよだつ思いがします。



・・・



そぼ降る雨の中、約10時間立ち尽くした19日未明。
参院で可決成立したのを聞き届けた後、デモの群衆から外れて独り、数時間先の始発に乗り込もうと、寂しい気持ちで駅までの長い長い道のりをトボトボ歩く・・・。
すると、左手に昔通った懐かしい溜池山王のラーメン屋。

雨に濡れて寒かったのと懐かしさのあまり、そっとその店の扉を開けてみる。
夜は居酒屋になるその店ももう閉店間際だったようで、客はおらず、整然と並べられたテーブルの上には翌日のランチメニューが。

しゃがれた声で「まだ大丈夫ですか?」という私に中国人と思しき若く小柄の女性の店員さんが少しびっくりした表情を見せた後、すぐに笑顔で「大丈夫ですよ。ラズドオーダいいですか」。

きっと、金曜日で疲れている“閉店間際の余計な客”だったはずなのに、いやな表情一つ見せずに奥に入って、そして人懐っこい笑顔でメニューを持ってきてくれる。

懐かしい醤油ラーメンを、嫌いな長ネギ抜きで注文した後、彼女は厨房に下がり、そして笑顔でジョッキになみなみと入った氷水を持ってきてくれる。

氷水でノドの渇きを潤しながらしばらく待っていると、「おまちどサマでした。ごゆっくりどうぞ〜」。
さらに「タマゴ入れときました」。

にっこり笑いながらそう言うと、彼女は再び厨房に下がった。
そして、私が入店するまで続けていた後片付けを再開したのか、私の視界から消えていった。



きっと疲れているだろう。明日はお休みなのだろうか・・・。





この人に拳を向けるようなことは、ゼッタイに有り得ないから!!!




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